2018年5月9日水曜日

工場再生 つづき。



2月に報告いたしました 工場のリニューアル工事のその後です。
確認検査機関による『遵法性調査』が完了。工事が本格化しています。


本来 新築された建築物は建築確認のとおりに完成されているかどうか、
完成時に完了検査を受け検査済証の交付を受けていなくてはなりません。

現実的には 数十年も前に建てられた建築物の中には
この検査済証のない(完了検査を受けていない)建築物も多くあります。

勿論、建築確認の通りに完成し、各種法令にも叶った建築物であっても、
例えば、建物登記にしろ、金融機関から建設資金の融資を受けるにしろ、
検査済証の必要性は薄かったから という当時の背景もありました。

ただ、こういった建築物の増改築をするとなるとなると問題が起きます。
基本的に、新築時の検査済証は必須となります。
それじゃあ増改築は諦め、やむなく解体して新築するか‥というのでは
古い建築物は出来るだけ活用しよう、という時代の潮流に反します。
そこで救済措置として登場したのが、既存建物の調査ということです。
『建築基準法適合状況調査』(ガイドライン調査)や『遵法性調査』です。

昭和40年代に完成したこの工場にも 検査済証 はありませんでした。

ただ、この工場のリニューアル工事の場合は、
増改築の確認申請は必要ありません(大規模修繕模様替)でしたので
『遵法性調査』の方を、確認検査機関にお願いしたところであります。

はたして現地調査に来られた検査員は お二人。
新築当時の建築確認概要書と私が作成した現状図面を元に、実測調査。
屋上に残ったガラス張温室や 後から設置された固定式オーニングまで
床面積の対象となるので 撤去 と指導されるとは 意外と厳しい‥。
それでも 是正報告の後には 立派な報告書をいただけました。

古くなっても再生して活かせる建築物は、もっと増やせるのではないか。
と 私は考えています。



2018年5月8日火曜日

リハビリ・北斎・黄金週間


3月の末。私の不注意から 左手人差指の先を骨折してしまいました。
激痛は数日で治ったものの、添木を当てグルグル巻きにされた包帯は、
なかなか外せず、運動不足もあいなってブルーな気分で過ごした先月。

このGWは もっぱら 心と体のリハビリテーションにとあてました。
読書 は1冊
『不死身の特攻兵』鴻上尚史
  9回の出撃から生還した特攻隊パイロットの実話。当時の歪んだ官僚
  主義が、現代の日本の社会の在りようにも重なるようだ。乞う映画化。

映画 は2本
『パシフィック・リム:アップライジング』
  前作のような深みはない(‥予想通り。)CG満載のアクション。
  最近のハリウッドのSF映画、中国人の主要人物がよく登場する。
  映画製作の世界も国際情勢下ということか。
『ペンタゴン・ペーパーズ』
  私が中学生の時に観た洋画『大統領の陰謀』へと繋がるストーリー。
  これも、たしかワシントン・ポスト誌の記者の活躍だったような‥。

あとは
旧友とビアガーデンで一献。晴れた日のBBQ。
指のあんばいが だいぶ良くなったなと思い、サイクリングの再開。

そして、以前から気になっていた美術館へ‥ 『すみだ北斎美術館
妹島和世氏による設計の、銀色に光る前衛的な造形。
ただゾーニングと動線を考慮した、考え抜かれた造形だ(と思う。)
渾身のディテールが詰まっていつつも、こじんまりした規模で納まるのは
なるほど 葛飾北斎個々の作品が小品であるからか。

『冨嶽三十六景神奈川沖浪裏』 迫力より緻密さと構図の妙に改めて感動。
企画展示は他『諸国瀧廻り』のシリーズなど 水の表現は圧巻。
常設展示はタッチパネルを駆使し、子供達にも親しみやすそうだ。

北斎の母方の血縁に、討ち入りで果てた吉良上野介の家臣がいたそうな。
GoogleMapを見るに、吉良邸跡地はすぐそこだ。帰りがけに寄ってみる。
母校やかつての事務所からほど近い 泉岳寺 には何度も足を運んできた。
ここはやはり、対戦相手にもリスペクトの念を持つべきであろう。合掌。


GWが明け。お医者さんの許可を得て、指先の包帯と添木をはずしてみる。
怪我とは関係なかった第一関節・第二関節が 硬く曲げずらくなっている。
なるほど、人間、体は絶えず動かしていないといけない、ということか。

このBLOGも、しばらくUPしないでいると、急に筆が重たくなるようです。
頭の中にも 何か鈍ってしまうものがあるのでしょうか。
これからは たえずアクティブにいるよう 心掛けたい。