2017年10月31日火曜日

ブレードランナー 賛歌 再び。

ブレードランナー2049
言葉にならないほど、素晴らしい作品です。
前作の世界観をリスペクトしつつ、さらにヴァージョンアップした作品の完成度。
ドゥニ・ヴェルネーヴ監督には、プレッシャーもあったでしょうが、大拍手です。

バイオ技術、VRやAI といった 進化したテクノロジーと どう共存するのか。
貧困と格差、差別といった今日的な社会問題は これからも存在しつづけるのか。
生命 とは何か。

重い命題が背景にあります。
そこが ブレードランナーが ここまで支持される理由でしょう。

前作と合わせたこの2作品は、世界記憶遺産にマジ登録です!


<‥‥‥‥ココからネタバレ‥‥‥‥>

仕事柄もあって、まず印象に残るのは
2049年の退廃的な近未来感を創出している 美術 の斬新さ、素晴らしさです。
前作の世界観を単にトレースするのではなく、新しい世界観をも創出しています。
猥雑な繁華街。VRや映像が溢れる都市。その先に広がる巨大なごみ捨て場。
搾取される子供達が暮らす廃工場。かつて隆盛を極めた街(ベガス)の荒涼…。
新型レプリカントの開発者・ウォレス(ジャレッド・レト)の接待ルームは
鎌倉近代美術館やルイス・バラカンの建築を思わせる、水面の揺らぎを映し出す
演出の幻想的な闇の空間。
(私の憶測ですが)この空間は、子宮と羊水に浮かぶ胎児 を暗示しています。

これに対比して K(ライアン・コズリング)の住むアパートは じつに普通。
かつてデッカード(ハリソン・フォード)が暮らしたアパートが、F.L.ライトの
デザインを思わせる、セキュリティー高層マンションであったのと対照的です。
日常性を思わせる場所も必要だったのでしょう。

登場人物のキャラも立ってます。
K(ライアン・コズリング)のクールな感じが、じつにレプリカントっぽい。
VRのジョイ(アナ・デ・アルマス)は〝こんなキュートな彼女欲しいな〟感が
満載。つまり、この二人は、いわば マネキンのカップル と言えるわけです。
その二人に、人としての感情が育っていくわけですね。

ウォレス(ジャレッド・レト)は
バイオ科学者というより、カリスマ性を持った 宗教指導者 を思わせます。
これも、同じくレプリカントの開発者・タイレルが、ビジネスマン・タイプで
あったことと対照的です。
世界を破滅に導く輩がいるとすれば、こういった人物達なのかもしれない。

ラストシーンは 感動的。
自然との繋がりがほぼ破壊されても、残されるのが季節感(雪)かもしれない。
人としての証として 家族という繋がり が、ひとつ あるのでは‥。
そんな思いが、爽やかによぎりました。

そして また続編も作ることができる流れでしたが…
そこは 「二つで充分ですよ!」 と言うセリフが聞こえてきそうだな。

<‥‥‥‥ココまでネタバレ‥‥‥‥>


ハリウッドの映画産業は、
産業構造の進化からか、慢性的なコンテンツ不足に陥っていることはわかります。
他のコンテンツの焼き直し作品や、ヒット作の続編の作品ばかりが目に付きます。
ただ、前作の世界観を壊してほしくない、という願望から、続編に不安を覚える
作品もありました。その代表作が ブレードランナー でしょう。

しかし ここまで完成度の高い続編が作れるというのであれば、話は別。
そこで リドリー・スコット監督には次回 ぜひ撮ってもらいたい作品があります。

『ブラックレインTOKYO2020

もちろん、主役は M・ダグラスと松田龍平&翔太の兄弟でなくてはなりませんぞ。




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