2017年7月21日金曜日

宮脇檀のドローイング展「手が考える」

外苑前の駅を出ると、何やらスワローズの選手達が拳をあげている‥。
目を覚ませ! 記録的連敗を喫しているチームのスローガンが皮肉だ。
外苑西通りの角、黒川紀章のベルコモンズ跡地は、高級マンションへ。
マリオボッタのワタリウム、東孝光の日本一有名な狭小住宅をすぎて
竹山聖のバブル建築の前‥ あれ?どうやってはいるのだろう。

恥ずかしながら 建築家会館 というところに、初めて来たのでした。
ホールで開催された 建築家・宮脇檀のドローイング展「手が考える」
見学させていただきました。

仮設工事の単菅バイプによる無骨な展示に、軽快なジャズのBGM。
作品建物の写真は一切なく、ドローイングと 模型がひとつだけ。
それゆえ 精密なドローイングによる考察の迫力が浮かび上がります。

宮脇檀さんの印象は 私は 軽妙な文章。特に紀行文が好きでした。
以前、どこのコラムだったでしょうか。 氏が展示会で、ある方から
「‥お若いの。安藤忠雄くらいの才能あるよ。」 と、つっこまれた
エピソードを、ユーモアまじりに書かれていたのを思い出しました。

安藤氏の 例えば「住吉の長屋」や「六甲の集合住宅群」に見られる
周囲や条件に対するアグレッシブな戦闘モードのようなものとは逆に
宮脇さんの発想は、生活や使い勝手から沸き立つものを強く感じます。
パーズだけではなく実施図面の全てに人物や家具が描かれていました。

ただ、氏が病により声を失ってからの、所員との筆談の記録には苦笑。

 担当者の仕事は 俺に聞くことではない… 
 自分で考えて、こうしたいのですが と  何もかも聞くな
 いいよボーナス引き 監理設計ミス
 こじれた話を戻すのは 俺は 土下座要員で ‥場合は土下座

戦闘モード マックスのようです。