2015年12月24日木曜日

新国立競技場

白紙撤回となっていた 新国立競技場計画
日本スポーツ振興センター(JSC)は、今月14日に発表されたA案・B案から
隈研吾・大成建設チームのA案を採用する旨政府へ答申、了承されたとのこと。

当初、新聞紙面等に掲載されたのA案・B案のパースから受けていた私の印象は
両案とも、スタジアム建築としてのコンセプトが、表層のデザインにとどまって
しまってやしないかな、ということ。
例えば、前回の東京五輪で会場として建設された丹下健三氏の代々木体育館や
撤回されたザハ氏の計画案では、大空間の構造体をどう構成し、造形美として
昇華させるか、というダイナミックな発想が見受けられました。
予算や工期の関係で、屋根は観客席部分のみ、と設計要件が変更となったこと
の影響でしょうが、それなら 旧国立競技場の改修計画でよかったんじゃない?
‥と いまさらながらに 思えてました。

先月、将軍・徳川家のゆかりの方の講演を聞く機会がありました。
そもそも、東京(江戸)という町は、稀有なエコ志向の都市であったそうです。
衣類は裁断して、布巾・雑巾・しまいにはオシメとしてまで活用してから廃棄。
人糞まで、肥料として完全に活用しきっていたとのこと。
東京で開催する五輪のアイデンティティーや、コンパクト五輪の理念で言えば
旧国立競技場の再活用こそ、目玉になりえていたかもしれません。


隈研吾・大成建設チームの受注に関しては
A案・B案の発表の前から建築関係者の間に、いろいろ憶測が流れていました。
私自身は、無責任な発言は慎みたいと思います。
ただ今回、A案が選ばれた大きな理由が、工期と予算であったとのこと。
であるならば、ザハ氏側が、あれだけYouTubeも含めたあらゆるメディアで、
工期と予算を遵守した修正計画をやります!と言っていたですから、そのまま
責任持たせてザハ氏に任せてもよかったじゃない?これまた、いまさらですが。

選考過程が、政治的思惑のない クリア なものであったことを願います。

※画像はネット内にあり、すでに公表されているもの。ご了解のほど。