2015年4月2日木曜日

安藤忠雄建築は、ハリル・ジャパン日本代表になれるのか‥。


『世界的建築家安藤忠雄氏が、4月1日、大阪の事務所で記者会見を開き、
 今後、日本での鉄筋コンクリートの住宅は設計しない意向を明らかにしました。
 2020年から始まる住宅の省エネ規制を視野においたもので、鉄筋コンクリート
 の打放しでは、対応できない、と判断した、とのこと。‥』 (時事転写

 
安藤氏の建築はその力強い造形と共に、コンクリートの素の質感の中に、わび・さび
という、日本人独特の美意識を表現しているかのようです。そこが欧米で評価される
ひとつのファクターではないかと、私は感じています。
たとえば私も欧米で、安藤氏も敬愛するル・コルビジェの建築をいくつも見ましたが、
そこで用いられている打放しコンクリートは、あくまで壁や床といったエレメントを
構成するため建材であって、特にその質感を意識していたようには思えませんでした。
コルビジェ作品とは違う、安藤建築の魅力のひとつだと思います。


このコンクリートの打放しの表現は、安藤建築のトレードマークとなっています。
ただ、ここには、ちょっと突っ込みを入れたくなります。(失礼ながら。)

建築の計画において、その構造や素材をどのように選択していくのか。
それは、建築がその時点、その場所で成立するための与条件から判断されるべきで
あります。それこそが建築のデザインという作業であり、工業製品のデザインとの
違いでありましょう。

与条件の中には、コストや今回の「省エネ基準」のような、法規制もあります。
たとえば、私もかつて設計した住宅の中には、現時点で同様な計画をすれば構造適
合判定(ペアチェック)が必要で、(構造的に不可能ではないにしても)コストや
時間的制約から、実現は難しいかな、と思える作品もあります。

もちろん、個々の建築家の哲学やスタイルは大事です。
与条件を、個々の建築家の哲学やスタイルというフィルターを通すから、個性ある
建築が生まれ、街並みや空間が生きづきます。
ただ前者と後者は、けっして あべこべ であってはなりません。
まずはじめに、コンクリート打放しありき。という発想は、建築のデザインという
作業には、そもそも馴染まない、と私は考えます。


まずはじめに、フラット・スリー ありき。
2002年日韓W杯で、日本代表を率いたフィリップ・トルシエ監督のスタイルです。
フラット・スリーとは、横一列に並んだディフェンダー3人が、連動してラインを
上げ下げし、相手をオフサイド・トラップに引っ掛ける、という戦術でした。
押し付けられたような戦術に、戸惑いや反発もあったと、当時のセンターバック
宮本恒靖氏も吐露していたように思います。
同様にジーコさん、ザックさんも、まず自身の哲学やスタイルを持ち込みました。
日本人は体格に劣り、当たりに弱い。だから細かいパスワークでゴールに迫る‥。

ハリルホビッチ監督は、まず状況分析から入りました。
現時点の日本代表には、何が足りないのか‥。
そして、状況に応じて、相手に応じてフォーメーションを変えるようです。
ウズベク戦では 「罠を仕掛けた」 という表現をしておりました。お見事。

監督ひとりで、ここまで変わるものなのか‥。これから代表戦が楽しみですね。


なんの話か、わからなくなってしまったその勢いで 今日の桜。太極拳。
私も幸せの 気 をいただいたようで思わずシャッター。お許しください。