2014年3月29日土曜日

西大泉の集合住宅 ウイーク・タイドなコミュニティー

西大泉の築集合住宅[ATRIA](設計監理 ワークショップ)
新築間もない先週末、オープンハウスにて見学させていただいた。
1000m2を超える敷地に 23戸の住居。
各住居は、ロフトも絡んだトリッキーなメゾネット形式で面白い。
とくに、玄関から直接、土間形式のキッチンというプランニング
は日本人の生活様式に馴染むのではないか。単に“流行の間取”だ
と、異端視することは、もうすでに当たらないでしょう。

敷地は第一種低層住居地域内。建物高さと建蔽率の規制もあって、
共用の中庭から各住戸へアクセスさせる計画です。この中庭空間は
動線の中心であるのと同時に、住人同士のコミュニティーを形成し
建物全体をひとつの集落のようにする狙いもあるのでしょう。

住人同士のコミュニティーは、集合住宅の生活では資産ともなる。
同潤会アパートの時代では、当たり前の空気感であったでしょう。
こんな住民同士の繋がりを感じさせる集合住宅。いいですね。

人の繋がり方を、『ストロング・タイド』と『ウイーク・タイド』
という 分類で整理 できます。
『ストロング・タイド』‥家族や血縁、地域社会などの強い繋がり。
それに対し、『ウイーク・タイド』とはファジーで曖昧な関係です。
現代では、SNS等で形成されるコミュニティーもこれに当たります。

住空間の計画でゆうならば
住人同士の生活空間の一部(キッチンやリビングなど)を共有する
いはゆるシェア・ハウスの計画は、どちらかといえば、ストロング
・タイドな繋がりをつくれる計画、といえるかもしれません。
対するウイーク・タイドな繋がりといえば、たとえば井戸端会議。
一見、不要なようにも思える共用空間でこそ、生まれそうな感じが
ありますね。かつての旧同潤会江戸川アパートにも、そこかしこに、
そんなしつらえがあったことを思いだしました。