2012年11月12日月曜日

建築がうけつぐもの


昨晩のTV東京の番組『ソロモン流』
アレックス・カー氏の日本文化との関わりを紹介している。

氏の人柄、日本への慈しみに好感の持てるよい番組だった。
徳島県の、いはゆる限界集落の古民家を再生し、宿泊施設
として運営し村おこしとした、というストーリーでしたが、
テンキー式オートロック、 IHヒーター、床暖房‥ ときて
一瞬 ん! いやいや これは先入観だ。
新しい技術を取込むことで、古きを活かしてこそ、再生だ。
これも、ひとつの ありよう でしょうか。


建築士会の機関誌 『建築士』11月号
同潤会アパートの写真家・兼平雄樹氏のインタヴュー記事

あるアパートの撮影での、汚いところばかり撮りやがって!
の罵声から、実際に同潤会アパートに住むことを決意する。
内側の住民の目線から捉えた絵には、説得力がちがう。
インタヴュー後半の建替え問題の部分では、住民の方々の
複雑な心情にも触れてます。デリケートなところです。

建物が うけつぐものとは なに。
たとえば
表参道ヒルズも 同潤会・青山アパートの建替えであった。
安藤忠雄氏は、表参道の傾斜をもってして街を取り込んだ。
建物の高さを参道並木のそれとあわせて、景観をまもった。
 …防火区画等など規制をクリアさせたディテールの計画
  複雑な権利関係の調整など、実現までの努力、情熱に
  あたまが さがります。
これも、ひとつの ありよう でしょうか。


じつは わたしも
汚いところばかり撮りやがって! の 写真小僧のひとり。
どこかに コンプレックス があったところにもってきて、
兼平氏の記事に 冷や水をあびせられた気分でした。

すでに公開されてますが、恥をしのんで。