2011年9月11日日曜日

New York before 9.11



ニューヨークにもいったことないの? といった友人の一言で
マンハッタンをひとり、旅したのは15年くらい前の春だった。
リュックひとつにエコノミーの往復格安チケット。
きっと仕事の都合がついて、ちょっとお金もあったのだろう、
気楽なものだった。

ケネディー空港からの道すがら 初めてマンハッタン島を見る。
美しい。ほんとうに人間の造った街なのか‥。
島の端部に位置していた、世界貿易センターのツインタワー。
抜群のプロポーションは、あたかもマンハッタン島全体の中の
バランスを考えて存在しているようだ。(本当にそうかも。)

セントラル・ステーション近くでバスをおり、宿探しも兼ねて
散策をはじめると発見!通りから吹き上がる水蒸気のけむり‥。
リドリー・スコット監督 ブラック・レイン で描かれている
ニューヨークの様相、そのままではないか。
ブレード・ランナー でも表現されてる けだるい近未来感。
てっきり デフォルメされた街並の演出だとばかり思ていた。
ちがった。 おもわず、スキップ!

マンハッタン で約一週間、ひたすら街中を歩いた。
F.L.ライトのグッゲンハイム美術館、メトロポリタン美術館、
J.レノンが凶弾に倒れたダコタハウス前で合掌。
個性的な摩天楼群は、しかしながら壁面をそろえ整然と並び
街並は深いクレバスのように、視界と風を通している。


滞在中、Y氏のアパートメントを訪ねる。
Y氏は飛行機の席で隣り合わせた、日本人ジャーナリストだ。
入国審査のさい、今晩の宿泊先はどこ? の質問に立ち往生
した私を助けてくれた。彼のAddressをおしえてくれたのだ。

訪ねたアパートは、なんとエンパイアステートビルのとなり。
厳重なセキュリティーに、エレベーターの中まで監視カメラ、
部屋は15坪ほどのワンルーム。こころよく、迎えてくれた。

アメリカ社会のコアな事情にまで詳しいY氏と、夕飯を共に。
‥“アメリカには、決して大統領になれない人種がいるんだ。”
差別と区別の間のグレーな部分を、Y氏はいいたかったのか。
それでも、現オバマ大統領の出現で、かわってくのだろうか。

‥“He,He!  NY is  One Big Gray Area,You Know?
映画 ブラック・レイン
 NYのアウトローな刑事 マイケル・ダグラスが
堅物の日本人刑事 高倉健にむけた台詞 を 思いだした。


9.11 同時多発テロから10年。